



エコーガイド下穿刺吸引細胞疹
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検査の目的
この検査では、エコー(超音波)でしこりなどの病変の位置を確認しながら、細い針を刺して細胞を吸引し、良性/悪性の判断などしこりの性質を調べます。この検査の結果を受けて、手術などの治療を行うか経過観察を続けるかなどの治療方針が検討されるため、大変重要な検査です。
検査の方法と注意事項
方法
この検査では採血と同じ太さの針を使用します。そのため、痛みは採血時とほぼ同じ程度で、かつメスで体を傷つけることなく検査を行うことができます。
特に甲状腺は、血流が豊富な臓器で、かつ周囲に重要な神経や血管が走っているため、超音波(エコー)で正確な位置をしっかりと確認しながら針を刺します。また、正確な診断のためには穿刺や塗抹の手技によっても左右されるため、隈病院では病理診断医が、自ら穿刺を担当したり、技術指導や他の医療者への情報発信など、育成に努めています。
注意事項
この検査は、頸部に針を刺すことから、内部出血の恐れがあります。下記の方は特に出血のリスクに注意が必要です。
- 抗凝固剤など血液が固まりにくくなるおくすり(血流が良くなる・血液をサラサラにする、など)を服用している方
- 血小板減少症、紫斑病の方
隈病院では、エコーガイド下穿刺吸引細胞診を受ける患者の皆様が、少しでも安心して検査を受けていただけるよう動画を作成しています。
細胞の量が足りない場合
正確な診断のためには、なるべくたくさんの細胞を採取する必要があります。しかし、甲状腺のしこりには骨のように硬いものがあったりして、熟練した医師でも充分な細胞を吸引することができない場合があり、そうすると正しい判断ができないことから「検体不適正」という結果となります(全体の10%程度)。
その場合は、穿刺に使用した針に残っている細胞を回収して、標本を作製し直す「液状化検体細胞診」という方法を選択することがあります。
液状化検体細胞診
- しこりを刺した針を専用の保存液で洗浄し、細胞を回収する
- 専用の機器を用いて、保存液から細胞診標本を作製する
この方法であれば、別途「液状化検体細胞診」としての料金は発生しますが、再度穿刺を行うことなく診断が可能になります。患者さんのご負担を軽減させるため、隈病院では、日本では初めてこの方法を採用しました。
