メディカルコラム

喫煙はバセドウ病の患者さんにどのような影響をもたらしますか?

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A. 症状に悪影響を及ぼします

バセドウ病は甲状腺機能亢進症と眼の症状が生じる病気ですが、喫煙は双方に悪影響を及ぼします。

喫煙者は、非喫煙者に比べて2-3倍甲状腺機能亢進症を発症しやすくなります。これは、本数が多いほどリスクが高くなります。

また、甲状腺機能亢進症は抗甲状腺薬で治療しますが、喫煙者では、治療効果が減じることが報告されています。
さらに、寛解したあとの再発も、多くなることが報告されています。

眼症への影響ですが、喫煙者は、非喫煙者に比べて3-4倍眼の症状を発症しやすくなります。
甲状腺機能亢進症と同様、本数が多いほどリスクが高くなります。

また、眼症に対しては、副腎皮質ホルモン剤による治療や放射線球後照射が行われますが、喫煙者では、非喫煙者に比べてこれらの治療効果が劣ることが報告されています。

禁煙をするとこれらの悪影響は改善しますので、バセドウ病患者さんには禁煙を強く勧めています。

(内科 伊藤 充)

本記事は、隈病院の医師が監修しています。

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