メディカルコラム
バセドウ病の抗甲状腺薬の内服はいつまで続けるの?
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A. 患者さんと相談して決めています
メルカゾールなどの抗甲状腺薬による治療は甲状腺ホルモンを下げて、その値を正常に維持することは容易ですが、内服中止のタイミングは難しく、中止できたとしても、再燃もしばしばで、治療が数年以上の長期になりがちです。この問題を2代目院長の隈寛二先生にかつて訊ねたことがあります。
「長期にわたる抗甲状腺薬の内服で甲状腺機能が正常に保たれている限り、健康な人と差のない生活が可能で、食事療法・生活指導も不要、また出産・妊娠も全く支障がない。しかも3ヶ月の長期処方も可能で、QOLを損なうことなく治療が行えるという意味では、患者さんがそれを受け入れる限り悲観すべきものではない。内科医の役目は患者さんが不安なく病気を受け入れ、甲状腺機能を正常に維持できるようにコントロールし、必要なら、手術あるいはアイソトープ治療を勧めることにつきる」
といわれました。私はこの通りだと思いますが、患者の皆様はどう思われます?
(隈病院内科 深田 修司)