メディカルコラム

頸部レントゲン検査

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検査の目的

レントゲン検査とは、X線を用いて体内の組織を画像化し、観察する検査です。
隈病院では、X線を使って主に正面と側面の2枚を撮影します。この検査は、気管の偏位(ずれ)・狭窄(細く狭くなること)、石灰化(カルシウムの沈着)の有無などを確認するために実施します。

頸部の正面撮影は、特に、声帯の動きや神経の働きを、側面撮影は、良性・悪性の判断に有用な石灰化の状態を確認する目的で撮影します。

頸部レントゲン検査の撮影方法

準備

頸部レントゲン検査を行う際には、正確な診断を得るために適切な準備が必要です。
この検査では、気管や軟部組織、またそれらの内部にある石灰化を観察するため、通常の骨のレントゲン検査とは異なる条件で撮影を行います。

衣服や下着の縫い目、アクセサリーなどが画像に影響を及ぼす可能性があるため、より鮮明で適切な画像を得るために、ネックレスやピアスなどのアクセサリーはすべて外す必要があります。可能な限り上半身裸になり、検査室へ。医療機関によっては、専用の検査着が用意されている場合もあります。

撮影

正面像の撮影

  1. 立った状態で撮影台にあごを軽くつけます。
  2. 技師の合図とともに「イー」と発声してください。

側面像の撮影

  1. 上を向き、のどを伸ばした状態で静止してください。

正面像・側面像ともに検査は短時間で終了し、痛みは伴いません。正確な画像を得るために、技師の指示に従い、リラックスして検査を受けてください。

頸部レントゲン検査の結果

正面像の撮影

気管の走行や声帯の開閉を観察します。この撮影により、声帯を動かす反回神経の状態を画像で推測できます。

側面像の撮影

良性・悪性の判断に有用な石灰化の状態を、低電圧で撮影し、注意深く観察します。

このような気管や石灰化の観察のための撮影は、一般のレントゲン検査では行いません。甲状腺専門病院の隈病院特有の検査方法で、高い精度での診断につながっています。

注意

頸部レントゲン検査は痛みはありませんが、被ばくを伴う検査です。妊娠中や授乳中の方は原則として検査を避ける必要がありますので、必ず医師にご相談ください。

本記事は、隈病院の放射線技師が監修しています。

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