



メディカルコラム
遺伝学的検査(遺伝子解析)
- #先天性甲状腺機能低下症
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- #甲状腺がん
検査の目的
この検査は、遺伝子や染色体を調べるための検査で、タンパク質の特徴や変化(変異など)を予想し、遺伝性疾患の発症や遺伝的状態(生まれ持った病気のなりやすさや体質など)を確認します。逆説的には、特定の遺伝性疾患の可能性を除外することもできます。
検査の方法
遺伝子の解析が必要と診断された場合、その疾患に応じた病気の説明と、どうして遺伝子の解析が必要なのかを担当医がご説明します。同意が得られた患者様に対してのみ遺伝子解析を行います。
解析には血液を用いますが、通常の採血と何ら変わりありません。採血した血液からDNAを抽出し、目的遺伝子の増幅を行い解析します。
隈病院で行っている遺伝子解析
解析できる遺伝子の種類は、各医療施設によって異なります。
甲状腺・副甲状腺の病気の中でも、遺伝子変異に関わるものがいくつかあり、当院では以下の遺伝子解析を行っています。
- RET遺伝子:甲状腺髄様がんと多発性内分泌腫瘍症2型 の診断
- MEN1遺伝子:副甲状腺機能亢進症と多発性内分泌腫瘍症1型 の診断
- TR-β1遺伝子:甲状腺ホルモン不応症 の診断
- CaSR遺伝子:家族性低Ca尿性高Ca血症と副甲状腺機能亢進症 の区別鑑別
- TSHR遺伝子、GNAS遺伝子:非遺伝性甲状腺機能亢進症 の診断
- TBG遺伝子:甲状腺ホルモン結合グロブリン(TBG)異常 の診断
- CHNG3関連遺伝子:先天性甲状腺機能低下症 の診断
遺伝カウンセリング
隈病院では、多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)および多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)の方とそのご家族、および上記2つの疾患の可能性のある方を対象として、「遺伝カウンセリング」を行っています。
カウンセリングには、「遺伝性腫瘍コーディネーター」という専門資格を有する職員が対応します。遺伝学的検査についてやこの後の治療方針についてなど、カウンセリングを受けられる方のご不安や心配なお気持ちを聞きながら、ともに考えていきます。
ご相談内容に関する秘密保持やプライバシーの保護のため、万全の体制を整え、また、対象の方にご利用いただきやすいよう、金銭的負担の軽減のため無料で行っています。ご関心のある方は、当院3階インフォメーションにお問い合わせください。

