



甲状腺眼症のおくすり『テッペーザ®』による治療
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甲状腺眼症の治療に「薬物療法」の選択肢
テッペーザ®とは、甲状腺眼症の治療に用いられる点滴治療のおくすりです。活動期の甲状腺眼症(aTED)を対象とし、眼球突出(目が突き出る症状)や、外眼筋等目の周りの組織の肥大化・炎症・脂肪の増加など眼球運動を阻害する症状を改善させる効果が期待できます。アムジェン株式会社が2024年9月に製造販売承認を受け、同年11月に販売を開始しました。(一般名:テプロツムマブ[遺伝子組換え])
この薬は、生物が作り出すたんぱく質を利用して製造開発された生物学的製剤(モノクローナル抗体)で、IGF-1受容体に結合し、働きを抑えることによって、眼症状を軽減させます。
IGF-1受容体とは
眼の周りの組織においては、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体やインスリン様成長因子-1(IGF-1)受容体などの分子が関与して、免疫システム機構などに影響を与えることが近年の研究で明らかになりました。甲状腺眼症の患者さんの場合、眼の周りの組織でTSH受容体とIGF-1受容体が過剰に活性化しており、その結果、眼球突出や複視などの症状が現れると考えられています。
テッペーザ®治療の流れ
- 診察と検査
内科医と眼科医が連携し、診断・治療の適応を判断します。 - 投与
およそ3週間毎に点滴で8回(約5か月間)投与します。 - 経過観察
治療後も定期的にフォローアップを行います。
*医師の判断により投与時間等が変更になることがあります。
治療のメリットとリスク
【メリット】
- 症状が早期に改善される可能性が高い
- 手術を回避できる場合がある
- 日常生活の質が向上する
【リスク】
- 聴覚障害(難聴、聴力低下、耳管機能障害、耳管開放、聴覚過敏、耳鳴、鼓膜障害等)
*治療開始前および治療開始中は定期的に聴力検査を行います - 高血糖、糖尿病
- インフュージョンリアクション(自覚症状:発熱やめまい、意識消失、嘔吐や呼吸困難など)
- 炎症性腸疾患(自覚症状:腹痛、体重減少や食欲不振、下痢・血便など)
テッペーザ®治療 よくある質問(FAQ)
Q:テッペーザ®の効果は?
A:眼球突出(目が突き出る症状)や、目の周りの組織の肥大化・炎症・脂肪の増加など眼球運動を阻害する症状を改善します。
Q:テッペーザ®治療はどんな人に適している?
A:以下の症状でお悩みの方に、おすすめしています。
- 眼の腫れや痛み、違和感が強い方
- 眼球突出が目立ち、日常生活に支障がある方
- 他の治療法で充分な効果が得られなかった方
Q:テッペーザ®治療は誰でも受けられる?
A:以下の方は、テッペーザ®の治療を受けられません。
- 過去にテッペーザ®に含まれる成分で過敏症のあった方
- 妊娠または妊娠の可能性のある方
また、聴覚障害のある方、糖尿病や耐糖能異常のある方、炎症性腸疾患のある方、授乳中の方は、注意が必要です。まずは医師にご相談ください。
Q:テッペーザ®治療にかかる費用は?
A:薬剤の投与量や、ひと月当たりの回数、高額療養費制度の適用などによって異なります。高額なおくすりのため慎重にご検討いただき、費用の詳細に関しましては、受診時に医師もしくは総合案内にてご相談ください。
【支払い例】
- 体重50~75kg未満
- 70歳以下
- 限度額の詳細区分が「ウ」に該当する方
全8回投与の合計額(概算):
450,000円~500,000円(初回の月:95,000円~120,000円)
*体重によって投与量を調整するため、料金が変動します。
*高額療養費制度の適用による限度額は個人の年収や、ひと月当たりの医療費総額などによって変動します。
*上記の例はあくまでもモデルであり、実際の費用はこの限りではありません。
*薬剤価格・投与量などは製薬メーカーが定めるものに沿って適用しています。医療機関による差はありません。
隈病院院長のメッセージ
『テッペーザ®治療は、甲状腺眼症でお悩みの患者様にとって画期的な選択肢です。従来の治療では得られなかった結果を目指し、患者様の生活の質向上をサポートします。ぜひお気軽にご相談ください。(赤水尚史 隈病院院長)』
ご予約・お問合せ
当院でテッペーザ®治療を希望される方は、内科担当医にご相談ください。
- はじめて診察を受ける方
- 通院中の方
- ウェブ予約(再診の方のみ):予約はこちら
参考情報
甲状腺眼症およびテッペーザ®に関する情報は、以下のサイトからもご確認いただけます。