メディカルコラム

お薬ノート:チロナミン錠

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どんなお薬?

甲状腺ホルモンを化学的に合成したもので、T3というものと同じ働きをします。短期間で甲状腺ホルモン値を上げたい場合や甲状腺ホルモン補充療法が本当に必要かを判断する場合、また一過性の甲状腺機能低下症にFT4の値が改善するまで使用されることがあります。

T3はT4(チラーヂンS)と比べて、服用後の吸収が早く体から排泄されるのも早いので、内服後に安定した濃度を維持することが難しく、決められた時間にきちんと飲むことが大切です。

副作用は?

甲状腺ホルモンはもともと体内にあるものなので、服用量が適正であれば副作用はほとんどありません。ただし、チロナミンは同じ甲状腺ホルモン剤として用いられるチラーヂンSに比べて動悸が起こりやすくなります。

服用時に気をつけることは?

チロナミンの吸収を妨げる成分としてアルミニウム製剤(胃薬など)、鉄剤(造血剤)、亜鉛含有製剤、炭酸カルシウムなどがあります。1日数回服用する場合もあるためできるだけこれらの成分が含まれるものは摂らないことをおすすめします。市販薬、サプリメントや健康食品などを摂る場合も、医師や薬剤師に相談してください。

(薬剤科 樫本 千里)

本記事は、隈病院の医師が監修しています。

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