メディカルコラム

甲状腺がんは手術後、再発する可能性はありますか?

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A. 外来で慎重に経過を観察します

甲状腺がんは未分化がんや低分化がんなどの例外を除いて、術後の見通しが非常によいがんです。
しかし中にはリンパ節などの局所や、肺や骨などの遠隔臓器に再発を来す症例もあります。

再発する可能性が高いかどうかはある程度術前や術中に予測でき、乳頭がんであれば腫瘍が大きい、超音波検査でリンパ節転移が明らかである、がんが気管や反回神経などの周辺臓器に浸潤しているような症例は、再発リスクが高いとされます。濾胞がんであれば、術後の病理検査で腫瘍内の血管にがん細胞が入り込む所見が複数あれば、再発を来しやすいことがわかっています。

こう言った症例は、外来で慎重に経過観察をする必要があります。

甲状腺を全摘すれば腫瘍マーカーであるサイログロブリンはほぼゼロに近くなりますが、いったん下がってもまた上昇してくるような場合は、転移再発を疑う必要があります。

(外科 伊藤 康弘)

本記事は、隈病院の医師が監修しています。

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