



シンチグラフィ検査
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検査の目的
甲状腺は、ヨウ素を取り込んでホルモンを合成する臓器です。シンチグラフィ検査では、この特性を利用して、放射性ヨウ素またはテクネチウムを用いて甲状腺の状態を調べます。
シンチグラフィ検査は以下のような目的で行われます。
- 甲状腺の大きさ、位置、形態の確認
- 甲状腺機能(摂取率)の測定
- 甲状腺ホルモンを産生する結節(しこり)の診断
- 副甲状腺腫瘍の位置の診断
- 甲状腺がんの再発および転移の評価
検査の方法
検査前の準備
放射性ヨウ素(123-I)を使用する場合は、検査の数日前からヨウ素制限が必要です。
注意
以下のような食品の摂取を控えてください。
- 昆布・わかめなどの海藻類(だし・エキスも含む)
- ヨード卵などのヨウ素を多く含む食品
- ヨウ素が含まれているうがい薬(例:ポピドンヨード)
制限期間はおよそ1週間程度が目安です。詳細は医師にご相談ください。
※テクネチウム(99mTc)を使用する場合は、ヨウ素制限は不要です。
検査当日
放射性ヨウ素(123-I)使用の場合
カプセルを服用後、3時間後または24時間後に仰向けで10分間撮像をします。
テクネチウム(99mTc)使用の場合
静脈注射後、10分後または20分後に仰向けで10〜30分間撮像します。
検査によっては2時間後にも撮像する場合があります。
当院で使用している放射性医薬品は主に2種類(99m-Tc/123-I)です。
これらの比較的半減期が短い医薬品で、安全性に考慮した上で、適切な投与量で検査を行っています。
使用機器
当院では本検査に、SPECT/CTという装置を使用します。
SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)
放射性薬剤の集積度合いを立体的に画像化し、臓器や病変の機能的な情報を得ることができます。
CT
X線の吸収差により、臓器や病変の位置や形状を把握することができます。
この2つを融合させたSPECT/CT装置は、臓器の機能や病変の位置を高精度で特定できるだけでなく、検査時間の短縮にもつながっています。

甲状腺摂取率検査
シンチグラフィで得た画像を用いて、甲状腺内の薬剤の取り込み度合いを数値化します。
甲状腺摂取率検査は、血液検査・超音波検査と並ぶ重要な検査です。
注意
検査は少量の被ばくを伴う検査です。
- 妊娠中・授乳中の方は原則として検査を避ける必要があります。
- ペースメーカーなどの精密機器を装着している方は、検査を受けることができない場合があります。
上記に当てはまる場合、必ず医師にご相談ください。
安全性にも十分配慮して行いますので、安心して検査をお受けください。
ご不明な点がございましたら、医師やスタッフまでお気軽にご相談ください。