



超音波検査(エコー)
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検査の目的
超音波検査(エコー検査)とは、人間が聞くことのできない周波数(2万Hz)を超える「超音波」を専用の装置を用いて体の表面から送信し、臓器に反射した超音波(エコー)を画像として映し出す検査です。これによって、甲状腺の大きさや腫瘍の有無を調べます。
被曝の恐れがないことから妊娠中や授乳中の患者さんに対しても安全で、当院でも大部分の患者さんが受けています。
超音波検査の結果
超音波検査では、甲状腺の大きさ・性状や血流、腫瘍の有無を調べることができるほか、甲状腺周囲のリンパ節や副甲状腺などの観察も行うことができます。
甲状腺疾患によってみられる病変は、主にびまん性病変と結節性病変という2種類があります。
びまん性病変
バセドウ病や橋本病(慢性甲状腺炎)、亜急性・無痛性甲状腺炎などで見られる病変です。超音波検査では、甲状腺の体積や結節(しこり)の有無、炎症、血流の多寡などの所見を観察します。甲状腺機能異常を来す場合が多く、血液検査によってどの疾患であるかの診断が可能です。
バセドウ病
- 甲状腺が全体的に腫れている
- 血流が多い
- 内部が不均質 など

橋本病
- 甲状腺が全体的に腫れている
- 炎症が見られる
- 血流が少ない など

結節性病変
良性結節(しこり)や悪性腫瘍などがある場合に見られる病変です。超音波検査では、しこりのある位置や広がり・形、血流の有無、良性・悪性の判別などに有用な組織型の推定、そして頸部リンパ節などの所見を注意深く観察します。
良性結節(しこり)
- しこりがある
- 液体が溜まった袋(のう胞)がある など

悪性腫瘍
- しこりがある など

これらの所見をエコー画像で注意深く観察し、臨床検査技師が日本超音波医学会の診断基準と、隈病院式の超音波所見のクラス分類をもちいてレポートを作成し、臨床側へ報告しています。
甲状腺は体の表面近くにある臓器なので、骨などの影響を受けにくく比較的容易に観察でき、甲状腺の画像検査としては第一選択となる検査です。しかし、検査の精度は検査者の技量によるところも大きく、隈病院では年間約6万5000件(2024年)という検査実績を基盤に、精度の高い超音波検査を実施しています。